病院に仮眠室は必要?医療現場における設置のメリットや導入時の課題・懸念点を解説

「病院に仮眠室の導入を検討しているけど、どのようなメリットがあるのだろう…」
「仮眠室を用意するにも費用がかかり本当に必要なんだろうか」
このような悩みを抱えていませんか?
病院は長時間勤務になってしまうことも多く、深刻な疲労リスクを抱えています。また、人の命や健康に関わる仕事になるため、ミスができないという緊張感のもとで働く必要があり、精神的な負担も多いです。
従業員の負担を減らすために、仮眠室の設置を検討する病院も少なくありません。
そこで本記事では、病院に仮眠室は必要なのか、設置の必要性や利用実態について解説します。
仮眠室を導入するメリットが知りたい方や、設置するうえでの懸念点・課題について気になる方は、参考にしてみてください。
「Sleep Well While Standing 〜 立ったまま最高の休息を」
個々のパフォーマンスアップには「睡眠」が特に重要であり、仮眠なら手軽に取り入れることができるのではと、これまで世界に存在しなかった「立ち寝」に着目し、2023年8月立ったまま寝る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」を製品開発。
目次
病院に仮眠室は必須?設置の必要性
まずは、病院に仮眠室が必要なのか、設置の必要性について解説していきます。
仮眠室導入を検討している方は、確認してみてください。
医療従事者における長時間勤務と深刻な疲労リスク
医療従事者は、長時間勤務と深刻な疲労リスクを抱えています。
厚生労働省が医師の勤務実態に関して調査したところ、以下の状態となっています。
労働時間 | 割合 |
---|---|
週40時間未満 | 22.5% |
週40時間以上50時間未満 | 32.7% |
週50時間以上60時間未満 | 23.7% |
週60時間以上70時間未満 | 12.1% |
週70時間以上80時間未満 | 5.4% |
週80時間以上90時間未満 | 2.3% |
週90時間以上100時間未満 | 0.9% |
週100時間以上 | 0.5% |
時間外・休日労働時間年960時間以上の方が、21.1%という結果となっていました。
週6日勤務と想定した場合、約5人に1人が10時間以上勤務している状態ということが調査結果で出ています。
疲労が蓄積している医療従事者が多いため、心身ともにケアする必要があります。
仮眠が業務パフォーマンスと安全性に与える効果
仮眠は、業務パフォーマンスや安全性が向上する効果が期待できます。
実際にNASAが宇宙飛行士に対して行った研究によると、26分の仮眠でパイロットの注意力が34%・反応時間が16%改善されたという調査結果が出ています。
仮眠を取ることで、注意力や集中力を改善できるため、業務パフォーマンスを高めたい方に向いているでしょう。
病院での仮眠室の利用実態

病院看護師は、日勤や深夜勤などの連続勤務になる場合も少なくありません。
厚生労働省が発表しているデータでは、病院看護師の28.7%が病院で仮眠を取っているという結果でした。約3人に1人が病院で仮眠を取っている状態で、利用頻度が高いことがわかります。
仮眠開始時間に関しては、19時台が最も多く、仮眠開始時刻が早くなるほど平均仮眠時間が長くなる傾向があります。多くの方が病院で看護師が仮眠を取っているため、仮眠室を導入していない医療機関には設置がおすすめです。
(参照:「病院看護婦が日勤-深夜勤の連続勤務時にとる仮眠の実態とその効果」厚生労働省)
病院での仮眠室導入事例
山口大学医学部附属病院の新病棟では、仮眠室が導入されています。
病院内に訪れる方や、入院患者目線の整備だけでなく、医師・看護師の心身の充実した環境を整えるという意味で設置されました。これまでの就寝場所は、2段ベッドだったものの、周囲の光や物音などが気にならないように、カプセルベッドに変わっています。
仮眠だけでなく小休憩にも役立つ設備が整っており、従業員の満足度と健康を保っています。
(参照:山口大学医学部附属病院 新病棟(A棟)仮眠室・当直室)
病院における仮眠室導入のメリット
病院における仮眠室を導入するメリットは、3つあります。
- 疲労回復と集中力の向上
- 精神的ストレスの軽減
- 勤務満足度の向上
それぞれのメリットについて解説していきます。
疲労回復と集中力の向上
病院に仮眠室を設置するメリットは、疲労回復と集中力の向上があげられます。
長時間勤務や夜勤は疲労が蓄積されやすく、集中力や注意力が低下しやすいです。
しかし、仮眠室を設置することで仮眠を取れるため、蓄積した疲労の回復や眠気解消を図れるでしょう。医療ミスのリスク軽減にもつながるので、病院に仮眠室を設置するのはおすすめです。
精神的ストレスの軽減
病院に仮眠室を設置すると、精神的ストレスの軽減が図れるでしょう。
医療現場は、身体的な疲労だけでなく、精神的なプレッシャーやストレスが大きいです。仮眠を取ることによって、脳をリフレッシュすることができ、ストレス反応が緩和しやすいでしょう。
また、自律神経のバランスを整えてくれるので、不安感やイライラを軽減できます。ストレスが軽減されることにより、職場内の人間関係トラブルも予防しやすいです。
仮眠を取ることで気持ちを切り替えられるので、医療現場に仮眠室を設置するのはおすすめです。
勤務満足度の向上
仮眠室を設置することにより、勤務満足度を向上させられるでしょう。
仮眠室を置くことによって、休憩スペースとして活用できるだけでなく、スタッフの健康と働き方を大切にしているという印象を作れます。
また、働きやすい環境はスタッフの満足度を向上させ、離職率の低下・スタッフの定着率向上を図れるでしょう。
病院に仮眠室を設置する上での課題と懸念点

病院に仮眠室を設置するうえでの課題点と懸念点は、以下の4つです。
- スペースの確保
- 設置・運用にかかるコスト
- 運用ルールの整備と管理の手間
- 職員への周知・推進が必須
それぞれの課題点と懸念点について解説します。
スペースの確保
病院に仮眠室を設置する課題・懸念点として、スペースの確保があります。
仮眠室は、スペースが少ないと窮屈に感じてしまい、居心地の悪さから眠りにつけないという場合もあります。
また、スペースが狭いと利用できる人数が限られてしまい、仮眠を取りたくてもできない可能性があるでしょう。そのため、仮眠室の導入を検討している場合は、スペースを十分に確保しましょう。
設置・運用にかかるコスト
病院に仮眠室を設置するときは、設置・運用にかかわるコストを考えておきましょう。
仮眠室には、ベッド、リクライニングチェア、空調設備などをはじめとした初期投資が必要です。
また、清掃・リネン交換、光熱費などの維持管理費や、管理担当者の人件費などを視野に入れておく必要があります。そのため、設置・運用コストを検討したうえで導入するか検討するようにしましょう。
運用ルールの整備と管理の手間
仮眠室は、運用ルールの整備と管理の手間がかかる点も考慮しておきましょう。たとえば、運用ルールが整っていない場合、使用マナーが悪い人がいたときに不清潔な状態になったり、周りの人に迷惑がかかったりします。
また仮眠とサボりの線引きが曖昧になってしまいやすく、トラブルに発展してしまう可能性があります。そのため、運用ルールの整備と管理の手間を考慮して、仮眠室を導入するか検討しましょう。
職員への周知・推進が必須
病院で仮眠室を設置するときは、職員への周知・推進が欠かせません。
仮眠室を導入しても、職員に周知・推進ができていない場合は、「勤務中に寝ることは悪い」という印象から、利用者が少なくなりやすいです。
とくに医療現場は、緊張感を常に持っておくべきという考えを持っている方も多いです。病院に仮眠室を導入したい場合は、職員への周知や推進を行うようにしてください。
最適な仮眠環境の構築は「giraffenap(ジラフナップ)」で

弊社 広葉樹合板では、企業が気軽に仮眠を取りやすいように、立ったまま眠れる仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」を開発しました。
小型の公衆電話ほどのサイズで、理想的な姿勢・環境下で仮眠を取ることができます。ジラフナップの中は遮音性に優れているほか、適度な暗さを保つ設計です。

また、どこにも力が入らない4点保持の姿勢で眠れるように開発しており、立ったままでも理想的な眠りにつけます。
ベッドを置く部屋を作る必要がない上に、眠気が訪れた際に気軽に仮眠を取れる環境を構築できるため、従業員の健康増進やパフォーマンス向上が期待できます。
製品の詳細や導入に関するお問い合わせについては、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの職場に最適な仮眠環境をご提案いたします。