仮眠ボックスが変えた保育現場の休憩文化 ー 桑名市が企業版ふるさと納税で実現した職場環境改革

保育士の労働環境改善は、いまや多くの自治体や法人にとって避けては通れないテーマです。
朝から晩まで子どもたちと向き合う保育士にとって、いかに「質の高い休憩」を取るかは、その後のパフォーマンスに直結します。
今回、三重県桑名市の長島中部保育所に導入されたのは、立ったまま仮眠をとる仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」。企業版ふるさと納税を活用し、2台が導入されました。
導入を主導した桑名市子ども未来課の廣田さんと、実際に使用する保育所の所長とスタッフの方に導入の決め手・実際に使用する感想などお話を伺いました。
「睡眠」がパフォーマンスを変える。市が動いたきっかけ

まずは、今回の導入に至った経緯を教えてください。
桑名市子ども未来課 廣田さん:
もともと私自身、睡眠について強い関心を持っていました。日々の業務や子育て支援の現場で話を聞く中で、保護者の方々はもちろん、現場で働く職員もまた、睡眠や休息に大きな悩みを抱えていると感じていました。
そんな中、情報収集の中で「giraffenap」の記事に出会ったことが、導入検討のきっかけとなりました。
他社製品もいくつか検討しましたが、既存施設へのスペース確保という点で課題がありました。
従来の仮眠は横になって快適に寝る商品が多い中、「立ったまま寝る」ということは非常に画期的なことであると共に、実は非常に理に適っている点が魅力的でした。
そして、何より省スペースで設置できる点に、行政の施設でも活かせる可能性を感じて、すぐに問い合わせをしました。
行政として新しい設備を導入するのは、ハードルも高かったのではないでしょうか。
桑名市子ども未来課 廣田さん:
今回は、広葉樹合板株式会社の山口社長から多大なるご理解と後押しがあり、「企業版ふるさと納税」という制度を活用し、2台の導入が実現しました。
上層部も「セルフケアをして職務のパフォーマンスを上げる」という考え方に非常に理解が早く、決断は比較的スムーズでした。
「横になるのは気が引ける」保育現場のリアルな休憩事情
導入前、保育現場の休憩環境はどのような状態だったのでしょうか?
所長:
もちろん「1時間の休憩は必ず保育から離れて取りましょう」というルールは徹底していました。
ただ、7時から19時の開所時間中、常に子どもたちへの対応が発生するため、全員が同時に休憩を取ることは構造的に難しい環境です。そのため、毎日決まった時間に一斉に休憩を取る、ということが物理的に難しい環境にあります。
時間の確保は必ずしていますが、 皆さん本当に真面目なんです。
仕事から完全に離れることが難しくて、休憩中もつい書類仕事をしてしまったり、子どものことが気になってしまったり……
一応、畳の休憩室もしっかり用意しています。
横になったりもできる環境ですが、実際にはなかなか難しい部分もありました。他のスタッフが同じスペースでくつろいでいる中で、自分だけが横になって寝るというのは、やはり少し勇気がいることなんです。
人間関係が良くても、どこか遠慮してしまう。
導入前は、自分のデスクで毛布を被って、学生時代のように机に突っ伏して5分だけ目を閉じるという姿もよく見かけました。
最近の傾向として、、保育士さん自身の意識も変わってきて、「しっかり1時間休みたい」というニーズは以前より強くなってきています。
だからこそ、誰にも気兼ねせず、物理的に「今は仕事から離れているんだ」と周囲にも自分にも示せる場所が必要だったのだと感じています。
睡眠だけではなく、一人になれる場所ができた
実際に利用したスタッフの方々の反応はいかがですか?
所長:
最初は「本当に立って寝られるの?」と半信半疑でしたが、まずは「全員一度は体験してみよう」と実際に使ってみると「想像以上に自然に使えた」「寝やすい」という声が多いですね。
あるスタッフは、頭痛がした時に15分ほど利用して「頭がすっきりした」と喜んでいました。
「立ったまま」というのも大きなポイントですね。
横になってしまうと、起きた後に体が重く感じてしまうことがありますが、立ったままだと短時間で意識が切り替わり、、起きた瞬間にすぐ次の仕事へ元気に向かえる。
保育の現場には、この「ほどよい仮眠」が合っていると思います。
保育園スタッフ:
正直、最初は慣れない感じもありました。「どうやって寝るんだろう?」って。
でも、周りのスタッフに「この体勢だよ」とコツを教えてもらったり、自分に合う角度を見つけたりしてからは、違和感なく眠れるようになりましたね。一度コツを掴めば、しっかり休めます。
また、 寝る・寝ないにかかわらず、物理的に一人の空間が作れることが大きいですね。扉を閉めて、外の音を遮断して、自分一人になれる。
「自分だけの世界」に没入でき、それだけで、仕事の緊張感からフッと離れることができます。

現場の課題と、これからの展望
運用面での課題や、今後の期待について教えてください。
所長:
利用する人によって、心地よいと感じる高さや角度が微妙に異なります。使用者ごとの設定を保存できる機能があると、よりスムーズに休息に入れると思います。スタッフがより自然に、スムーズに休息に入れる環境を整えていきたいですね。
また、現在はまだ公立保育所8園のうち2園への導入ですが、今後は他の園にもこうした取り組みが広がっていってほしいと願っています。保育という忙しい現場だからこそ、質の高い休憩が当たり前になることで、スタッフみんなの心と体のゆとりに繋がっていけば嬉しいです。
桑名市子ども未来課 廣田さん:
物理的なスペースの問題で設置が難しい園もありますが、桑名市としては引き続き職場環境の改善を進めていきたいと考えています。
こうした新しい取り組みが、保育士の採用や福利厚生のPRにも繋がっていくことを期待しています。今後も現場の声を聞きながら、より良い環境づくりを模索していきたいですね。
この度は取材のご協力ありがとうございました!
これからも長島中部保育所の皆様が健やかにお子さまと向き合えることををお祈りしております。
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