休憩室がない職場は違法?デメリットと省スペースでの解決策

「お昼休みになっても、自分のデスクでスマホを見るしかない」
「車の中に逃げ込んで休憩しているけれど、夏は暑いし冬は寒い」
職場の休憩環境に悩む従業員の方は少なくありません。また、企業の総務担当者や経営者の方も「休憩室を作りたいが、場所がないから仕方ない」と諦めてはいないでしょうか。
実は、休憩室がないことは単なる不便だけでは済まず、大きなリスクを秘めています。今回は、休憩室にまつわる法律の正解と、場所がないオフィスでも導入できる最新の休息術を解説します。
目次
休憩室がない職場は法律違反になるのか?

結論から述べると、一般的な事務所において休憩室そのものの設置は「努力義務」とされています。しかし、休憩室とよく間違えられる休養室は条件によっては明確な「義務」が生じる場合があるため、正確な理解が必要です。
リフレッシュ目的の「休憩室」設置はあくまで努力義務
一般的に私たちがイメージする、食事をしたり雑談をしたりするための「休憩室」については、事務所衛生基準規則の第19条において「労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない」と定められています。
この「努めなければならない」という表現は「努力義務」を指しており、設置しなかったからといって即座に是正勧告を受けたり、罰金が発生したりすることはありません。そのため、極論を言えば「自席で昼食を摂ることに問題がない環境」であれば、専用の休憩室がなくても法的な体裁は保てていることになります。
ただし、この「努力義務」という言葉を「何もしなくて良い」と解釈するのは危険です。
デスクワークが中心の職場では、作業場所から離れて目を休めたり、姿勢を変えたりできる場所があることが望ましいとされています。
また、近年ではストレスチェック制度の導入などにより、メンタルヘルス対策の一環として「ホッとできる場所」の有無が厳しく問われるようになっています。
法的な罰則がないからといって休憩環境を疎かにすることは、社員のモチベーション低下や離職率の上昇を招き、結果として企業にとって大きな損失につながる可能性があることを忘れてはいけません。
一時的に横になる「休養室」は条件によって明確な義務
「休憩室」と非常によく混同されるのが、体調不良者や妊産婦が一時的に横になって休むための「休養室」です。
こちらは休憩室のような努力義務ではなく、特定の条件を満たす事業場においては、事務所衛生基準規則第21条に基づき、はっきりと「設置義務」が生じます。
具体的には「常時50人以上の労働者」がいる場合、または「常時30人以上の女性労働者」がいる場合には、気分が悪くなった人が臥床(がしょう)、つまり横になれるための休養設備を設けなければなりません。
ここで重要なのは、この休養室は「男女別に」用意しなければならないという点です。休憩室のように「一つの大きな部屋をみんなで使う」という形ではなく、プライバシーが守られ、かつ異性の目を気にせずに休める環境が法的に求められているのです。
休憩室がないことで生じる3つの大きなリスク
休憩室がないという状況は、会社の体力をじわじわと削っていきます。多くの経営者は「部屋を作るコストや場所がもったいない」と考えがちですが、実は休憩室がないせいで失っている価値のほうが、場所代よりもずっと大きいことが多い可能性もあります。
①生産性の低下と思わぬ仕事上のミスの増加
人間の脳が集中できる時間には限界があります。午後の仕事で高いパフォーマンスを出すためには、昼休みにいかに「仕事モードをオフ」にできるかが鍵になります。自席で休憩を取っていると、目の前にはパソコンがあり、周りでは電話が鳴ったり誰かが喋っていたりします。
これでは脳がリラックスモードに切り替わらず、疲労がたまったまま午後の仕事に入ることになってしまいます。その結果、判断力が鈍って普段ならありえないような「うっかりミス」が増えたり、作業スピードが目に見えて落ちたりといった悪いサイクルが生まれます。
休憩室がないことで、会社全体の仕事の効率は知らないうちに大きく下がっていると考えたほうがいいでしょう。
②離職率の上昇と採用力の低下
今の労働市場では、給料と同じくらい、あるいはそれ以上に「職場の環境」が重視されています。特に優秀な若手層ほど、自分が働く場所がどれだけ快適か、会社が自分たちをどれだけ大事に扱ってくれているかを冷静に見ています。
休憩室すら用意されていない職場は、「社員を休ませる気がない会社だ」という印象を強く与えてしまいます。これが不満となって離職に繋がるだけでなく、新しい人を採用するときにも大きな壁になります。
快適な休憩スペースがないことは、優秀な人が集まらない、そして今いる人が定着しないという、人手不足に悩む企業にとって最大のリスクになります。
③社内コミュニケーションの停滞
休憩室には、違う部署の人や役職の違う人が偶然会って話をする場所としての役割もあります。自席での休憩が当たり前になってしまうと、みんな自分の席から出なくなり、他部署の人と会話するきっかけがなくなります。
こうしたコミュニケーションの停滞は、会社の中に「見えない壁」を作り、風通しを悪くする原因になります。ちょっとした雑談から新しいアイデアが生まれたり、リラックスした場だからこそトラブルの予兆が共有されたりすることも多いものです。
休憩室がないことでこうした情報のやり取りが消えてしまうのは、会社にとって新しいチャンスやリスク管理の機会を失っているのと同じことだと言えます。
スペースがないを理由に諦めないための代替案

「重要性はわかったけれど、どうしてもオフィスが狭くて部屋なんて作れない」という場合でも、工夫次第で休憩環境を改善することはできます。立派な壁を作ることだけが休憩室の形ではありません。
デッドスペースや共用部の一部活用
まず検討してほしいのが、オフィスの中のちょっとした隙間を「休み場」に変えることです。廊下の突き当たりや、コピー機の横にわずかに残ったスペース、普段あまり使っていない会議室の端などは、やり方次第で立派なリフレッシュコーナーになります。
大切なのは、見た目で「ここは休む場所だ」とわかるようにすることです。背の高い観葉植物を並べて目隠しにしたり、そこだけ床にラグを敷いたり、照明を少しオレンジ色の柔らかいものに変えるだけで、心理的な境界線が生まれます。大きな工事をしなくても、今の家具の配置を少し見直すだけで、社員がホッと一息つける場所は意外と簡単に作れるものです。
外部サービスの活用(サテライトやカフェ)
社内にどうしても場所が作れないなら、外の力を借りるのも賢い方法です。例えば、会社の近くにあるカフェと提携して、社員が休憩時間に利用するときはコーヒー代を会社が一部補助するような制度を作るのもいいでしょう。
また、近くのコワーキングスペースのリラックスエリアを会社で契約して、社員が自由に使えるようにするのも手です。あえて社外に出ることで、物理的に仕事から引き離されるため、リフレッシュ効果がより高まるというメリットもあります。社内に場所がないからといって諦めるのではなく、外のリソースに投資することで、社員に「会社はみんなの休息を応援している」というメッセージを伝えることができます。
狭いオフィスでも究極の休息「giraffenap(ジラフナップ)」

既存の休憩室を大幅に改装するのはコストも時間もかかります。そこで、現在のオフィス環境をそのままに、特定のスポットだけを「究極の静寂エリア」に変えるのが、仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」です。
小型の公衆電話ほどのサイズで、理想的な姿勢・環境下で仮眠を取ることができます。
ジラフナップの中は遮音性に優れているほか、適度な暗さを保つ設計です。

また、どこにも力が入らない4点保持の姿勢で眠れるように開発しており、立ったままでも理想的な眠りにつけます。
ベッドを置く部屋を作る必要がない上に、眠気が訪れた際に気軽に仮眠を取れる環境を構築できるため、従業員の健康増進やパフォーマンス向上が期待できます。
製品の詳細や導入に関するお問い合わせについては、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの職場に最適な仮眠環境をご提案いたします。
まとめ
「休憩室がない」という状況は、今の時代ではただの不便ではなく、生産性の低下や離職のリスクなど、会社を弱らせる大きな原因になります。
広い部屋を用意できなくても、デッドスペースの活用や最新の仮眠ボックスの導入など、今の時代に合ったやり方はたくさんあります。社員がしっかりと「オフ」になれる場所を作ることは、結局のところ、社員が笑顔でバリバリ働いてくれる「強い会社」を作ることへの近道です。まずは今のオフィスを見渡して、1平米の隙間を見つけるところから始めてみませんか。

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